ルコウソウにはインパクトの強い思い出がある。
いまの家に引っ越して来たとき、庭には庭木が4~5本植わっていて、生命力の強い雑草が伸び放題になっていた。
草を抜いたり、花壇のレンガをはずしたり、土木作業に励む毎日、ふと見ると、水道栓のそばに深紅の花がぱっちりとさいていた。ルコウソウだった。つる性になるはずなのに、草丈5センチくらいだったろうか。とても可愛く感激したので、種を買って来て蒔いた。
するとジャックと豆の木のようにすごい勢いで伸び上がり、あっという間にテラスの柱を越えてしまった。ツルも何本も出てお互いに絡まり合い根本など木化して本当に大木になってしまった。赤い小さな花をたくさん付けて夏の間木陰をつくってくれた。
しかし、しばらくすると、ルコウソウの周りに小豆くらいの黒いものがぽつぽつ落ちているのに気付いた。
ルコウソウってこんなの
なんとそれは芋虫のフンであった。
よくよく目をこらすと、体長5センチ以上、ふとさも私の指くらいある凄いのが、ルコウソウの葉っぱをばりばりと食べている。
夏の暑い盛りだったのに、本当に寒気がした。
ゴミをつかむ大きなピンセットのようなものでつかんで引っ張っても、何本もの足でしっかりしがみついているので全然とれない。
結局、ルコウソウを切り倒した。
調べてみると、あの幼虫はスズメガの幼虫で、スズメガはルコウソウのような筒状の花が好きなのだそうだ。
いま考えると切り倒されたルコウソウにはかわいそうな事をした。
蒔いた種が芽を出してくれればいいな。今度は鉢植えで可愛く育てたい。
いまの私の庭なら、天敵がいっぱいいるから、あんな芋虫天国にはならない筈だし。スズメガってこんなの