薔薇の病害虫

 薔薇を十年近く無農薬で育てていてつらつら思う事。

一般的に消毒と言われる化学殺菌剤や殺虫剤を庭に散布するという事は、都会のオフィスビルを建てるようなものだなと思う。昼間は人が多いけれど実際そこに住む住人は居ない。夜にはがらんとしてしまう。華やかに見えて空虚な人工的な空間。薔薇だけが広い空間に生きている。空き空間が一杯あるので悪い奴らが住み着きやすい。病原菌や害虫たち。常に人間が目を光らせて悪者退治を続けなくてはならない。

一方、殺菌、殺虫をしないで庭を管理していると、どんどん雑多な生物が増えてくる。
にぎやかな下町の風情といったところか?至る所に菌類や虫たちが居るので、悪玉が侵入するスペースがそもそも少ない上に生物同士の拮抗で、ある一つの種類の菌や虫が増える事は少ない。自治ができているということか?薔薇もいろいろ影響を受けて虫食いや多少の病気はあるものの、管理が断然楽なので心底庭を楽しむ事が出来る。

私は自宅に薔薇を植えてから薔薇自体の魅力に本当に感嘆する事が多いし、今まで目にする事のなかった素晴らしい生き物たちを知る事が出来た。放任栽培万歳!

今日、今年初めてのモッコウバラが一輪開きました。
また薔薇のシーズンが始まります。楽しみ♬。